イーサリアム(Ethereum)は2025年10月1日、最新アップグレード「フサカ(Fusaka)」をホレスキー(Holesky)テストネットで正常に完了しました。これにより、イーサリアムメインネットへのフサカ導入が大きく前進し、12月3日ローンチ予定がさらに明確になりました。
フサカテスト成功後、市場では楽観ムードが強まり、イーサリアム価格は約5%上昇して4,304ドルまで急伸しました。取引量も増加し、24時間以内の先物清算額は1億4,570万ドル、うちショートポジション清算が1億1,060万ドルにのぼりました。これにより、投資家の信頼がネットワークの開発進展に集まっていることが明らかです。
開発チームは今後、10月14日にセポリア、10月28日にフーディという2つのテストネットで追加テストを行い、問題なければ12月3日にメインネットへ最終的なアップグレードを行う計画です。ホレスキー・テストネットは本番環境への移行後、二週間で役目を終え終了する予定です。
フサカアップグレードは、イーサリアム改善提案(EIP)を12件実装し、特に目玉となるのがPeerDAS(EIP-7594)です。これにより、バリデータやレイヤー2ネットワーク関係者は全データをダウンロードせず一部のみ検証できるようになり、ネットワークの負担軽減と手数料削減が期待されています。また、ガスリミットは従来の4,500万から1億5,000万に拡大し、より多くのトランザクションやスマートコントラクトが処理可能となります。
フサカテストとは?
フサカテストとは、イーサリアム公式開発チームが将来の本番アップグレード(フサカ)を安全に実装するため、テストネット(Holesky メイン)上で新機能やEIPの挙動を総合的に検証するプロセスです。テストネットは本番ブロックチェーンとは独立しており、エンジニアやバリデータがバグや不具合なく正しく稼働するか確認できる「練習用」のネットワークです。
フサカテストではPeerDASなどの重要な新技術を実際の処理量に近い環境下でテストすることで、技術的信頼性とセキュリティを高め、本番導入時のリスクを最小化します。テスト完了後の安定稼働が確認され次第、メインネットへのアップグレード日程が正式に確定します。