4割超のアルトコインが史上最安値圏に

4割超のアルトコインが史上最安値圏に

オンチェーン分析企業 CryptoQuant の最新データによると、現在、全アルトコインのうち約40%以上が史上最安値またはそれに近い水準で取引されていることが分かった。これは前回の弱気相場で記録した約38%を上回り、今サイクルでアルトコイン市場がかつてない下落局面に突入していることを示している。

主要通貨が相次ぎ急落

今回の下落は市場全体に及んでいる。ビットコインは2025年11月の最高値から約45%下落したが、主要アルトコインの下げ幅はそれを大きく上回る。Solana(ソラナ)は高値から約70%下落、XRPは60%安、Cardano(カルダノ)は2021年のピークから約90%値を下げている。中小規模のトークンでは VeChain(ヴィチェーン)が最大98%下落しており、ビットコイン以外の資産から資本が急速に流出している状況が浮き彫りになった。

CryptoQuant のアナリスト Darkfost 氏は「現行サイクルではアルトコインがこれほどの圧力を受けたことはない」と指摘する。現在、存在する暗号資産の総数は4,700万銘柄を超え、流動性が極度に分散した結果、価格安定性が著しく損なわれているという。

市場心理も依然として極端に弱気だ。「Fear & Greed Index(恐怖・欲指数)」は4月初旬に11を記録し、「極度の恐怖」領域に76日連続で滞在。これは2022年のFTX崩壊以来、最長の悲観的センチメントが続いていることを示す。

マクロ環境と規制の不確実性

下落を加速させている要因のひとつが、国際情勢と金融政策だ。Grayscale Investments は4月の市場見通しの中で、イラン・イスラエル間の緊張をはじめとする中東情勢の不安定化と、原油価格の上昇が世界的なリスク資産への投資意欲を冷やしていると指摘した。原油高によるインフレ懸念が金利高止まりの観測を強め、投機資産である暗号通貨には逆風となっている。

一方、米国では暗号資産市場の制度設計をめぐる立法が停滞している。市場インフラ整備の要として注目を集める「CLARITY法案」は、イースター休会前に進展がなく、成立の行方が不透明となっている。Galaxy Digital の調査責任者アレックス・ソーン氏は「4月末までに法案が委員会を通過しなければ、2027年以前の成立は難しくなる」と警告。TD Cowenの政策チームも同様に、可決は来年以降になる可能性が高いと分析している。予想市場 Polymarket では、今期中に成立する確率は約56%にとどまっている。

注目のテクニカル水準と市場見通し

アルトコイン市場の指標として注目されるEthereum(イーサリアム)は、1,800ドルのサポートラインが焦点となっている。FX Empire の分析によると、この水準を明確に下抜けた場合、ストップロス連鎖やDeFi清算リスクの拡大を通じて、1,450ドル近辺までの下落が視野に入るという。

Solana では短期的な売り圧力が高まっている。オンチェーン分析者 Ali Martinez 氏が観測したところ、過去3日間で約140万SOL(約1億1,000万ドル相当)が取引所に送金されており、売却前の典型的な動きとされる。さらに、4時間足チャートでデスクロス(死の交差)が確認され、短期トレンドの悪化が明確になった。

CryptoQuant が提示するビットコイン市場サイクルの歴史的モデルでは、2026年中盤から年末にかけて相場の底形成が予想されている。これにより、アルトコイン市場の本格的な回復には、今後さらに数カ月間の停滞局面を経る可能性が高いとみられている。